火曜から家にハエがいまして。
田舎の一軒家なので虫が家に入って来るのはそう珍しい事でも無いのですが、
主にクモとかアリとかの「飛ばない虫」なので(バッタとかテントウムシとか、線引きがむずかしいのもいますけど)
ハエとか蚊みたいなモロに「飛ぶ虫」が入って来るのは、我が家では珍しい出来事だったのです。
で、まあもちろん目障りですし不衛生な感じもしますので、すぐにぶち殺そうとしたのですが、まるで捕まらない。飛ぶ虫に慣れていない事もあるのでしょうか、攻撃がまるで当たりません。
この一週間丸一日中、一家総出でハエ殺し大作戦でした。「家に居る者はハエを駆逐せよ!」みたいな。
何日も戦っていると次第に友情のようなものが芽生えて参りまして。
土曜の朝、僕は彼に「ザビエル」という名を与えました。
やはり解るものなのでしょうか、敵意を無くした途端ザビエルは僕の手にとまったりするようになりました。
本来ならハエとかマジふざけんなという感じなのですが、もはや彼は家族同然のような感じでしたので、そのまま放っておいたり、近くで観察してみるとやはり気持ち悪くて手を振るってみたり…それなりのスキンシップを経まして、家族全員「出来るものなら外に逃がしてやろう」みたいな流れになっていました。
(そう思っていたのは僕だけで、父母妹は叩いて殺すのが不可能だと悟り、何でもいいから家から出せればそれでいいやと思ったのでしょう)
僕など今朝夢にもザビエルが出て来まして、さすがにそろそろ家から排除しなきゃなぁと思った矢先。
本日日曜の朝、一週間もの間石垣家を騒がせたハエは居間のテレビの上で死んでおりました。
どれだけ殺そうとしても逃げ延び、もういいやと思った途端にこの結末。
ルパン三世の最期が「ルパン寿命で死ぬ」とか「ルパン交通事故に遭う」とかだったら、銭形警部はさぞやりきれない気持ちでしょう。本日の我が家はそんな雰囲気です。
今朝夢に出て来たのは、別れを告げに来たのでしょうか。
…単純に、気になりすぎていただけと考えるのが妥当なのでしょうけれど。
本当、ハエ一匹でセンチメンタルです。
ちなみに僕が「ザビエル」と名付けたハエを
父は「よしお」と呼び、母は「ゴンザレス」と呼び、妹だけが「ザビエル」と呼んでいました。
名付けた僕自身も「ダニエル」と呼んでいました。まあ名称とかはどうでもよかろうなのです。