うちの妹は、しょっちゅう「マンガのキャラクターと結婚したい」と言います。
つい先日、女友達も「ゲームのキャラクターと結婚したい」と言っていました。
地元の男友達も「アニメのキャラクターと結婚する」と断言していました。
ガンダムや仮面ライダーがカッコイイとか、寓話のお姫様に憧れるとか、そういうのは何となくわかります。
キャラクターとしての個性やデザインだとか、物語の世界観に魅了されるのは、作品を楽しんでいる証拠だと思いますし、ね。
でも、架空の存在を恋愛対象として語るのは、ちょっと可哀想な気がするのです…。
どれほどイケメンなキャラも、セクシーなキャラも、この世には存在しません。
そこにあるのは、製作者によって構築され、様々な媒体で語り継がれる概念だけ。
彼らだって、そんな事はわかっているはず。
わかった上で歪んだ愛情を語るという事は、それなりの覚悟があるという事。
だから、僕はそういう言葉を聞く度に、流すべきなのか、茶化すべきなのか、真剣に恋愛の成就を願うべきなのか…とても悩みます。
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思い切って友人に聞いてみたのです。どこまでが冗談で、どこまでが本当なのか、と。
友人は真剣な顔で言いました。
「俺がキャラクターを愛する気持ちは、お前が貞子を怖いと感じる気持ちと同じだ」と。
僕にとって貞子という存在は「いないとわかっているけれど、怖いものは怖い」。
つまり、友人にとってのキャラクターは「いないとわかっているけれど、好きなものは好き」。
…わかったような、わからないような。理にかなっているけれど、腑に落ちません。
「侘び・寂び・萌え」は日本の文化と伺いますが、なかなかに奥が深いものです…!
よくわからないのですが他人の恋路を邪魔すると馬に蹴られるそうですし、ノータッチで行くのが最善なのかもしれませんね。